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がある一点でとまっているではないか。
全員がそのを追う。
「ちょっとまちやがれ、ぽち。どういう意味なんだ?」
みなののなか、自信に満ち溢れまくり、http://kotone22.blogaholic.se/2023/sep/184786/12434211033826312392123921237512390/ https://debsy1.blogspot.com/2023/09/blog-post_14.html http://eugenia22.eklablog.net/-a214781335 自信満々で傲慢で強気で尊大で高飛車で横柄な男が、気色ばんだ。
「はははっ!マザー・ファッカーだ」
ちょっ・・・・・・。
野村のやつ、よりにもよってなんてこといいだすんだ?
「んんんんん?いまのは、どういう意味かな?」
なっ・・・・・・。
島田よ。よりにもよって、いまここで永遠の好奇心旺盛な少年っぷりを披露しなくてもいいんだよ。
おれの内心の焦りをよそに、副長ににらまれ詰問されている当人は、右に左にかっこかわいいをかたむけてから、を副長からゆっくりと移しはじめ・・・・・・。
「ちょちょちょっ・・・・・・。な、なにゆえ、なにゆえおれをみるんです?」
俊春のの先には、たしかにおれがいる。おれが、そのみえるほうのに映っている。
「なるほどな」
そのを追った副長の謎解釈。
「なるほどなって・・・・・・。副長、誤解です。おれは、なんにもかんがえも思いもしませんでした。これは、ぽちの罠です。おれを陥れ、から追放させようとでもいう罠なのです」
俊春め。おれの心のなかをよんだ風をよそおうなんて、ひどすぎるじゃないか。
「そうだろうとも、主計。おおいにそうだろうともよ。おまえは、ぽちが申したようなことを、おれにたいしてこれっぽっちも思いやせぬだろう」
副長は湯呑みを畳の上に置くと、親指と人差し指でちょっことを示すジェスチャーをする。
「西郷さん。さっそく、こいつをつかってやってください。西郷さんの犬の散歩係などもったいねぇ。犬がかわいそうすぎる。そうだな。兵士たちの試し斬りか、試し撃ちの的にちょうどいい。動く的です。さぞかし、兵士たちのいい練習台になるでしょう」
「ちょちょちょちょっ・・・・・・。ですから副長、おおいなる誤解ですって。ってぽち、なんとかいってくださいよ」
「さて、酒肴をもうすこし運ぶとしましょう。西郷先生、もう一杯お茶をいかがでしょうか?」
なんてこった。
俊春、しれっとなにいってんだ?無実のおれに罪をおしつけ、自分は西郷や副長にポイントを稼ごうというのか?
内心で歯ぎしりしながら、を感じるのでそちらへを移すと、廊下にひかえる俊春の向こう側に、いつの間にか相棒がお座りしている。
なんと。おれとが合うと上唇を上げ、これみよがしに犬歯をみせつけてきた。
はいはい。どうせかわいいの味方なんでしょうよ。
「いただきもんそ。忘れちょった。厨ん左側ん納戸に、国幹さぁが干し芋を隠しちょっはずじゃ。駿府に立ち寄った際に入手したとじゃ。そいをもってきてもれもはんか」
「かしこまりました」
「干し芋っ!」
「ホシイモッ!」
俊春の承諾と喰いしん坊たちの叫びがかぶった。
おれは喰いしん坊ではないが、いっしょに叫んでしまった。
じつは、干し芋にある意味思い入れがあるからだ。 干し芋は、サツマイモを蒸して乾燥させたものである。全国でつくられているが、意外にも親父の故郷である茨城県が、産業として生産する量としては九割ちかくつくっている。そして、干し芋の発祥の地は、これもまた意外ではあるが、静岡県の御前崎らしい。ちょうどこの時代からさかのぼること半世紀ほどまえに、煮切干っていう製造を成功させたらしい。実用化するのは、いまからもうすこしあとの1890年をすぎたあたりかと記憶している。
干し芋は、いい保存食になる。しかも、腹がふくれる。さらには、便通にもいい。それが全国にひろがるのは当然のことであろう。日露戦争で野戦食として使用され、「軍人イモ」と呼ばれたという。
『干し芋フェチ』ではない。なにゆえしっているかというと、警察学校の同期が大学時代に干し芋の研究をしていたからである。干し芋の蘊蓄を、さんざん語られた。ゆえに、脳内に雑学的に蓄積されているというわけだ。
その同期は、土佐、もとい高知県の出身である。同期の故郷では、干し芋のことを「」というらしい。
最初、「東山、東山」というので、てっきり京都の東山のことだとばかり思っていた。
故郷の母親が、「東山」をたくさん送ってきてくれたといっては、おすそわけしてもらった。それを、寮の台所に置いてあるトースターで焼いたり、ガスレンジであぶったりするのだ。当人は、実家にいたときはで七輪であぶっていたらしい。
これがまた、めっちゃうまいのである。甘いものはさほど好きではない。しかし、干し芋ははまった。天然のほどよい甘さは、厳しい授業やさらに厳しい術科の疲れをふっ飛ばしてくれたものである。
同期の干し芋にたいする情熱は、大学で研究するほどすさまじいものである。たしかにそのおいしさは、研究したくなるほどのものであろう。
ちなみに、その同期とは、当然のことながら男である。
って、いうまでもないか。
そういうわけで、前置きがながくなってしまったが、西郷の『干し芋』という単語に反応してしまったわけである。
「干し芋か・・・・・・。なにかのときに一度だけ食したことがあるが、甘くてうまかった」
永倉が
にたいする仕打ちを鑑みるに、ついつい悪いほうに推測してしまう。
「まぁ兎に角、さきほどの様子だと、清原さんはよそ者ってことで、ずいぶんとつらい思いをされているのかもしれません。かれとは京で会ったことがありませんでしたが、相棒のことをあんなに愛おしそうになでているのをみると、悪い人ではなさそうです。たまたま敵対していて、今日ここで偶然出会っただけです。それを、史実どおり「死んだらいい」なんて、思えるわけがありません」
本心である。かれにしろ加納にしろ、おねぇが死んだと信じきっている。である。仇を討ちたいと願うのは、として当然のことであろう。
おねぇは生きている。https://keizo.anime-navi.net/Entry/56/ https://alicia034b.blogger.ba/2023/05/02/%e3%81%b8%e5%90%91%e3%81%8b%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%a7%e3%81%af%ef%bc%9f%e3%80%8d/ http://leowatts.mee.nu/ 本来なら、おれたちは恨まれるべきではない。
それが、ただただ残念でならない。
俊春は、おれのいったことにたいしてなにもいわなかった。そのかわり、左拳を突きだしてきたので、右拳を突きだしフィスト・バンプする。
言葉などいらない。
そのリアクションだけで、俊春がおれのかんがえに同調してくれているのがわかったから。「おお、忘れておった。そういえば、京で局長を襲撃してきた御陵衛士のなかに、かれがいたような気がする」
俊春は、フィスト・バンプをおえた拳で、右の掌をぽんと打った。
「かれ」とは、清原のことにほかならない。
局長の襲撃とは、おねぇの仇討ちに燃える御陵衛士たちによる事件である。本来なら、二条城から伏見奉行所にもどる局長と島田が襲われるはずであった。それを俊冬が局長の影武者をつとめ、俊春が島田の役をやった。
御陵衛士たちはそうとは見抜けず、すっかりだまされて襲ってきたのである。
「わたしが撒いたまきびしをまともに踏んづけたらしく、『いたか、いたか』とぴょんぴょん飛び跳ねておった」
「ははは!それはお気の毒様でした」を落とすと、相棒は機嫌よくあるいている。
それから、を正面に向けると、軍議のおこなわれている商家がみえてきた。
「それにしても、おれたちだけできてよかったですよね。副長たちがいらっしゃったら、それこそ大騒ぎになるところでした」
おれは、面識がない。俊春は、おねぇとの付き合いのなかであったとしても、御陵衛士の残党に襲われた際にはを隠していた。清原が気がつくわけもない。加納がいなかったことも幸いである。
加納とは、面識がある。
おねぇと「」で密会したことがある。その際に、加納もいっしょにきていた。
「角屋」は、島原にある新撰組御用達の揚屋である。
「そうだな。われらより、清原さんのほうが泡を喰ったであろう」
「まさか、いまや敵地であるはずのにいるなんて、思いもしないでしょう。しかも、敵であるはずの薩摩軍の軍服を着用していますし。さらにその軍服は、かれより上の階級なんです。腰を抜かしてもおかしくないでしょう。そういえば、おれたちはかれより上の士官服を着用しているのに、かれはめっちゃタメ口でしたよね」
まぁ、薩摩にしろ熊本にしろ、方言だとフランクにきこえるんだろう。
「タメ口?ああ、なれなれしい言葉ということか?国言葉とは、そういうものではなかろうか」
そんなことを話しながら、商家のまえにやってきた。玄関脇に、借りものの駕籠がちゃんとある。落書きされたり切り刻まれたりもなく、無事なようだ。
もっとも、を盗んだところで、オークションやセカンドハンドに売れるものではない。それどころか、持ち運びが大変すぎる。悪戯にしたって、白昼堂々人通りのあるなかでやるには困難だ。
なにより、ここに放置してあるということは、軍議に参加している要人のものである可能性が高い。
それに手をだすなんてやつは、よほどのチャレンジャーか愚か者ってことになる。
まだ軍議はおわっていないようである。ときおり、兵卒が通ってゆく。
江戸の町の昼間とは思えぬほど、静かである。
「主計、あそこでまつとしよう」
俊春が立ち止まることなく、ある一角を指さした。そちらをみると、軍議のおこなわれている商家とは、四つ角をはさんだ向こう側に路地がある。
あの路地からだと、商家は丸見えである。路地で通りからはみえにくいので、たしょうときをすごしても目立つことはない。もそうであるが、相棒はどうしても目立ってしまう。さきほどの清原のように、いつなんどき犬好きか狼好きがあらわれ、声をかけてくるかもしれない。
路地までいくと、商家がよくみえる。
軍議は、あとどのくらいでおわるのであろう。士官服の胸ポケットからマイ懐中時計をとりだした。
針は、お昼どきをまわっている。空をあおぎみると、路地裏の切り取られたかのような空間で、お日様がにっこり笑っているかのように輝いている。
いまはまだ我慢できるが、もうすぐしたら我慢できなくなるほど暑くなるのであろう。
それこそ、汗臭さ全開になる。
盆地である京都や大阪は、冬は底冷えし、夏はムシムシする。生まれも育ちも京都なので、そんな夏の京都の蒸し暑さには毎年、うんざりしたものである。
この時代、当然のことながら温暖化にはなっていない。とはいえ、文明の利器であるエアコンに助けてもらっていたおれには、温暖化になっていようといまいと、夏の暑さはこたえてしまうかもしれない。
「ぽち、はやくたまと会えればいいですよね」
さぁが軍議ん間に、散歩をおおせつかっちょっちゅうわけじゃ」
俊春は、ヘーキで嘘八百をつらつらと並べ立てている。
って思った瞬間、かれにじろりとにらまれてしまった。
「そうと。そら、西郷しゃんも残念やろうね」
清原は、https://jesonrose.blox.ua/2023/04/27/91/ http://hayashida0202.blogism.jp/archives/19972904.html https://www.adsriver.com/1/posts/1-Automobiles-Vehicles/1-Auto-Dealers/1667885-Why-The-reason.html マジで大の犬好きなんだ。すっげー幸せそうな笑顔で、相棒をなでつづけている。
「熊本んしじゃしか?」
俊春はおれをよみつつ、おれの代弁をしてくれる。
「いろいろあって、いまは薩摩軍に身ばよせとる。ばってん、なかなかなじめまっせん。もう一人、薩摩人でなか仲間がおるばってん、前線にでていて会えんのや」
かれは、相棒をなでながらぽつりともらした。
「もうすぐ、北方面に出陣ばい。こぎゃんむしゃんよか犬に会えたんな、縁起がよか」
だまっていると、かれは独り言のようにつぶやきつづける。
「そうと。白河口にいっようなこっがあったや、くれぐれも気をつけたもんせ。心から武運をお祈りすっ」
俊春は、おれの代弁をつづけてくれる。最後の一言は、かれ自身の想いもこもっているにちがいない。
おれたちは、かれのまえから去った。
清原は、ずっとおれたちの背をみているようだった。
「そうか・・・・・・。かれも死ぬのか」
清原の気配が完全になくなったころ、相棒をはさんだ向こう側で、俊春がつぶやいた。
「ええ、残念でなりません。ぽち、ありがとうございます。ちゃんと、かれに告げてくれて感謝します」
「主計、おぬしはやさしいな」
かれは、つと脚をとめた。もちろん、相棒も立ち止まる。で、ついでにおれもである。
「あなたには負けますよ、ぽち。おれはただ、自分がしっているだけに、しらないふりができなかっただけです」
「とはいえ、かれが局長の正体をバラしたのであろう?」
俊春は、またあゆみはじめる。もちろん、もそれにならう。
清原清は、元新撰組隊士である。砲術指南役をやっていた。熊本藩出身で、江戸での徴募を機に新撰組に加入した。
そして、かれはおねぇ派である。御陵衛士として、新撰組を去った。
「油小路」事件では、かれは京にいなかった。たしか、伊勢あたりに出張していて難を逃れたはずだと記憶している。そのあと、二条城から伏見奉行所へ向かっている局長を襲撃したメンバーにくわわっていたとしても、おれは気がつかなかった。
かれはその後、おねぇにとっては剣術の弟子にあたるといっていいとともに薩摩軍に入り、現在にいたる。
さきほど、かれが仲間といっていたのは、加納のことにちがいない。
そして、かれと加納は、流山で東山道総督府斥候である有馬のもとに出頭した大久保大和を、新撰組局長とみやぶり、チクったのである。
すくなくとも、現代ではそう伝えられている。
もっとも、かれらがチクろうが訴えようが、大久保大和の正体がバレずにすんだとはかんがえようもないのだが。
兎に角この後、かれは白河口の戦いにおいて戦死する。
さきほどの俊春の遠まわしのアテンションを思いだし、うまくたちまわってくれればいいのだが。
そう願わずにはいられない。
「史実では、そうなっています。ですが、局長のことを誠にバラしたのかどうかはわかりません。っていうよりかは、かれらがバラすまでもなく、勝先生が幕府側の立場を有利にもってゆくように敵に耳打ちしていたかも、です。清原さんや加納さんがバラしたというよりかは、敵は、かれらを通じてその裏をとったのかもしれません。だって、斥候としてやってきた有馬さんは、すぐにみやぶりました。有馬さんは、局長とは面識がないはずなのにです。かりに有馬さんが、あなたとたまが新撰組に肩入れしていることをしっていたとしても、その情報はおなじ藩の半次郎ちゃんや篠原さんから得たというよりかは、勝先生のつぶやきから得た可能性が高いと思います」
双子は薩摩に貸しがある。いや、薩摩にというよりかは西郷にたいしてである。京で半次郎ちゃんと遣り合い、大坂ではおなじく半次郎ちゃんや篠原、「幕末のプレ〇リー」こと村田と遣り合っている。西郷派であるかれらは、双子が新撰組に肩入れし、行動をともにしていることをしっている。後日、なにかのときに有馬に話しただろうか?いいや。その可能性は低いだろう。かれらが目指すものは、新撰組を潰すことではない。幕府を潰すことである。それでなくとも会ってゆっくり話をする暇もないかれらが、ひさしぶりに会って局長や双子の話題で盛り上がるなんてことは、まずないだろう。
そうなると、局長の正体をばらす、いや、ばらしたい人物が、故意に告げた可能性が高くなる。
勝を悪者にするつもりはないが、かれのこれまでの
を光らせている。しかも、おれが「ぽち」と呼びかけただけで、『うちの子になんや用か?』ってな勢いで、にらみあげてくる。
ううっ……。
おれはいったい、相棒にどんだけひどい虐待のかぎりをつくしたというのか?ネグレストしてしまったのか?
気を取り直し、https://aertshrkiaw4.cabanova.com/blogs.html https://anotepad.com/notes/je8cck3f http://aertshrkiaw4f.populr.me/debsy かれに手話の要領で掌をつかい、再度呼びかけた。すると、俊春はこちらを向いた。かっこかわいいに、キラキラとした笑みが浮かんでいる。
二卵性双生児とはいえ、そのは俊冬とはまったくちがう。たしかに、まとう雰囲気は似ている。が、俊冬のほうが大人でしっかりしているように感じられる。
もっともそれは、あくまでも俊冬と俊春を比較すればの話である。俊春も、野村やおれと比較すれば、はるかに大人でしっかりしているのはいうまでもない。
っていうようなことをかんがえていると、俊春がおれをじっとみつめていることに気がついた。
眉間に、かすかに皺がよっている。やはり、副長には似ていない。
俊冬は副長にクリソツだが、かれはまったく似ていない。相棒とのほうがよほどそっくりなことに、あらためて驚いてしまった。
「ぽち、またおれをよみましたね?おれを、そんなにみつめないでください。照れくさいですから」
おれがかれに声をかけておきながら、そんなことをいってしまった。よまれていることにたいするうしろめたさがあるからだ。
「申し訳ないが、おぬしをみているのではない。意識しすぎではないのか?わたしがみているのはおぬしではなく、おぬしをとおりこした向こう側だ。薩摩兵がいるのだ」
「え?」
かれは、笑顔のまま顎をしゃくった。いわれるまま左横へとを向けると、建ちならぶ商家の一軒で、薩摩兵たちが思い思いの姿勢で休息しているのがみえる。
引き戸を開けたまま、土間で何名か談笑している。
一人、入り口の外でたたずんでいる。ほかの兵卒同様、左腕に黒色の腕章をつけている。かれは、なにをするでもなく通りをボーっと眺めているようだ。すると、そのが相棒にとまり、それからおれたちへはしった。
「むしゃんよか犬やなあ」があうと、笑顔になってこちらにちかづいてきた。
アラフォーといったところであろうか。はよく陽にやけていて、超絶健康そうである。
「あたたちは、どこん隊と?みかけんやなあ」
やたらめったらでかい声である。しかも、ビミョーに薩摩言葉とはちがう気がする。
『むしゃんよか』
そうだ。たしか、かっこいいという意味の熊本弁だ。
おれは大好きであるが、相棒にとっては天敵である熊本県のゆるキャラ『くま〇ン』が、Twitterで『むしゃんよか○○〇』ってつぶやいているのを、みたことがある。
昔、一仕事のあとに『くま〇ン』に会ったことがある。おれは大好きだからめっちゃうれしかったが、相棒はリードが伸びきるまで尻尾を巻いて逃げまくっていた。
相棒も本物の熊ならカッコよく対峙しただろう。が、あのゆるい物体には、どこか異様なものが感じられるのかもしれない。
その後、Twitterかインスタで、『くま〇ン』が柴犬を散歩させる動画をみた。
柴犬がめっちゃ『くま〇ン』のお腹に噛みつき、頭を激しくふりふりしていた。
思わず、相棒にその動画をみせてしまった。
当然、「ふんっ!」ってツンツンな反応であったが。
それは兎も角、こっちにやってくる男は、熊本人の可能性が高い。
「小隊には属しちょらん。さぁん護衛をしちょっ」
俊春が友好的な笑みとともに応じると、熊本人らしいその兵卒は、ますます相好を崩した。
「ばい。よろしゅう。犬がたいぎゃ好きったい。さわったっちゃよかか?」
清原清っ!思わず、叫びそうになった。漢字で記せば回文になるこの名を、よくしっているからである。
「ぽち」
相棒をはさんで向こう側にいる俊春に、指で合図を送った。よんでくれ、という合図である。
ゆえに、俊春はすぐによんでくれた。それから、すでにおれたちの懐を脅かしつつあるかれに、笑顔で応じる。
「どうぞ、清原どん。従順でおとなしか犬じゃ」
その俊春の神対応は、どこからどうきいても完璧な薩摩弁である。
一方、おれは相棒に、お座りするよう指で合図を送った。
清原清が、相棒をさわれるようにするためであることはいうまでもない。
「ほんなこつむしゃんよか犬やなあ。ほれぼれする。ちゅうことは、西郷しゃんの犬と?」
清原は相棒のまえで両膝を折り、頭やら顎の下を一心不乱になでまくっている。
「んーにゃ。江戸ん商人のうり物じゃ。どんが購入すっつもりやったが、さきに買い手がきまったようじゃ。本日一日借っちょって、商人に返さんななりもはん。おいどんたちは、
かれと
のことはすでにしりつくしている。ゆえに、いまさら探ったところでまあたらしいことはなにもない。かえって薩摩の好意を踏みにじることになるであろう」
「ははっ!さすがだな、ぽち」
永倉が苦笑する。
双子は、局長の斬首がおこなわれるまえに探りを入れていたのだ。
「おまえも、https://diigo.com/0sf6an https://www.deviantart.com/terry7090/status-update/--826747399 https://brandsly1.journoportfolio.com/articles/han-nochou-inanteshimasenyo/ すこしは体躯を休めちゃどうだ?と申してもきかぬか」
「申し訳ございません。では、これにて。おっと兼定、おまえも・・・・・・」
俊春は、副長のすすめを謝罪とともにやんわり拒否し、一礼してから去ろうとした。
その俊春に、当然のごとく相棒がついてゆこうとする。
なんだか、おれが相棒と呼ぶのもおこがましくなってきてやしないか?
「あの、ぽち。おれもいっしょにいっていいですか?」
べつに、相棒をとられたからじゃない。神に誓って、の邪魔をしようというわけではない。
これではまるで、お笑いコンビみたいである。いままでいっしょにやってきた相方が、とつじょほかの芸人に鞍替えしてしまったって感じである。
残されたボケ役は、ってか、おれはツッコミ役だと思っていたが、それも最近では自信がなくなってしまっている。兎に角、一人取り残されたおれは、ただ呆然と相方の背を見送るしかないのである。
「主計、お主もつかれておろう。軍議がおわるのをまつのは、わたし一人で充分だ。ゆっくり休んでいればいい」
「いいんですよっ!いっしょにいかせてください」
思わず、口調がきつくなってしまった。俊春は声こそきくことはできないが、おれのや心をよんだりして、いまの剣幕に気がついたにきまっている。
その証拠に、かれのが悲し気にゆがんだ。いまにも泣きだしそうである。ガチに、「世界名〇劇場」の主役を演じている。もちろん、おれが主役をいじめる、あるいはこきつかう超絶憎ったらしい悪役である。
惜しむらくは、この場にいる全員がイヤなやつに同調して主人公をいじめる側ではなく、主人公の味方であるってことであろう。
「おいおいおい、主計。いまのはいただけぬな。これは、たまや左之がいたら、マジで殺られる事案だぞ」
なにげに現代っ子の永倉が、まず攻撃してきた。
「ああ。たしかにな。なにゆえ、ぽちに当たり散らす?ははん、兼定を寝取られた腹いせってやつだな」
「寝取られていませんっ!」
「寝取っておりませぬっ!」
副長の比喩表現に、俊春とかぶってしまった。
副長・・・・・・。あなたといっしょにしないでいただきたい。
相棒は、でないばかりか雌でもないのです。
「ステューピッドな上にユー・サックだな、主計」
「半次郎ちゃんよりやっせんぼじゃ」
あー、最悪だ。
現代っ子バイリンガルの野村にディスられるのはいつものことだが、「薩摩の野村」、もしくは「野村第二号」こと別府にまで、ダメだしされてしまった。
ってか、別府よ。なにゆえ、半次郎ちゃんをひきあいにだす?半次郎ちゃんは、やっせんぼじゃないではないか。
「すまぬ、主計。おまえのおこないは、もはや救いようがない」
おつぎは島田とがあった。なんと、神のごとき寛大なかれにまでみはなされてしまったではないか。
「すみません」
「あああ?きこえぬぞ。それに、かようにぶっきらぼうに申しても、謝罪にはならぬ」
副長が掌を耳にあて、嫌味マックスにいってきた。
「すみませんっ!すみませんっ!すみませんっ!これでいいでしょう?だいいち、いっしょにいかせてくれって頼んだだけではないですか。それのどこが、ぽちに当たり散らすことになるんです?教えてください」
VIPの謝罪会見みたいに、ぺこぺこ頭をさげながら『すみません』を連呼したあと、穏やかに、自分では穏やかなつもりで尋ねてみた。
「わお!逆ギレだ。おっかねぇ」
なにげに現代っ子な永倉のさらなる非難が、おれを叩きのめす。「晋介どん、おべちょくとよか。いまのが逆ギレっていうんじゃ」
「利三郎どん、勉強になっ。こいで、おいどんな半次郎ちゃんよりえろうなるっかもしれもはん」
野村……?
めっちゃ薩摩弁がうまくないか?それに、別府よ。ツッコミどころが満載すぎるが、とりあえずはに染まりすぎてやしないか?
「副長。では、いってまいります。ゆくぞ、兼定、主計」
「おうっ!いってこい」
そして、いままでのコントがすべて夢のなかのできごとのように、俊春はしれっと家の外へとでていってしまった。そして、それをドヤ顔で見送る副長たち。
しかも「兼定、主計」って、おれのほうが相棒より格下ってこと?
「ちょっ、ちょっとまってくださいよ、ぽち」
副長たちに一礼し、あわてて追いかけた。もちろん、ぽちと相棒を、である。
相棒は、ぽちの左脚うしろにくっついている。
「晋介どん、ずんばい勉強しもんそ。レッツ・スタディ・ア・ロット!」
「オッケー、利三郎どん」
家を飛びだした瞬間、現代っ子バイリンガルの野村と別府のはしゃぎ声が、背中にあたった。
神よ。どうか別府を悪魔から救ってください。
仏よ。どうか別府からマーラの誘惑を退けてください。
心底祈らずにはいられない。
「ぽち」
きた道をひきかえしながら、かれに呼びかけた。
相棒はあいかわらずおれたちの間で闊歩していて、おれが俊春におイタをせぬよう、