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「長くなるんで」
美海はそう言い、松本との話を中断し、再び幹部の診察を再開した。
大抵は皆健康であった。
皆筋肉綺麗だなぁ!
原田や永倉、土方の体を見るとますます思う。
「美海!俺は健康だろう!」
ガバッと原田は着物を開ける。
原田さんは元々見てるけど…。自分で見せてるからね…。
「はい。健康です」
けどちゃんと見ると本当に綺麗。
「あったりめぇだ!なんたって俺の腹は金物の味をしっているからな!ガッハッハッハッ!」
「土方さんは煙管控えてくださいよー。肺に悪いですからね」
「あ?俺ぁ大丈夫だ」https://mathew.99ing.net/Entry/8/ https://mathewanderson.futbolowo.pl/news/article/news-7 https://www.beclass.com/rid=294dae56744573905690
土方は部屋を出ようとした所を振り返る。
「立花くん。吸い続けたらどうなるんだ?」
土方は背中を向けながらもピクリと反応する。
気にはなるようだ。
「肺が真っ黒になってボロボロになります」
土方は真っ青な顔で振り向くと逃げていった。
「や!やめろ!触るな!」
伊東は美海に触れられそうになり部屋の隅に逃げている。
「なんでですかぁ?」
美海はニヤニヤと面白がる。伊東は美海が嫌いらしく露骨に避ける。
「いいから!おい!松本先生!助けてください!」
伊東はかなり取り乱している。
なんやかんや長い診察は終わった。
あの反応…。きっとそうだったんだろうな。
沖田は布団の中で眠れず天井を見ていた。
バレたかぁ。
隔離かな?
「嫌だな…」
今までなかった不安感が沖田を襲う。
あの反応をされるまでは心のどこかで自分は違う。
自分は大丈夫。
そう思っていた。
言われてみれば頭くらくらするな。
沖田は寝返りを打った。
沖田も労咳がどんなものかぐらい知っている。
待つのは死しかない。
心臓が尋常じゃないほどざわめく。
そんな不安で沖田は眠るに眠れなかった。
「なるほど!そのなんとかマイシンで…」
「ストレプトマイシンです」
「そうそう!ストレプトマイシン!治るのかい!?」
松本はキラキラと目を輝かせる。
今まで自分が目の前の人の病を知っていて直せなかったのに、この若者の異国語の薬では治ると言うのだ。
ストレプトマイシンとは結核を治すための薬だ。
「それが…」
「それが?」
「本来ならイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、そしてストレプトマイシンを併用して使うべきなんですよ。
ストレプトマイシン一つだと耐性ができちゃいますから」
「ほう」
「だけど確か昔はストレプトマイシン単体で効いたはずなんです。絶対じゃないんですけどね…。でも4種類の薬を作るには時間がかかりすぎるんです…」
「どうやって作ってたんだ?」
「全て機械です…。それを手作業でやらなきゃ駄目だし、かなりの量を使うんですよ…」
「なんとか人を増やせば!」
「それ以前に今の日本には無いものもあるんです…」
「そんな………。どうすれば…」
二人は絶望的な顔をした。
「道具もいくつか必要なんです」
「ならわしの知り合いに頼めばいい!」
「できますか?あ…ちょっと待っててください!」
バタバタと美海は部屋を出た。
カラ…
沖田が中で寝ているだろうと小さく戸を開ける。
沖田の顔は布団に潜っていて見えない。
ゴソゴソ…
美海さん…?
沖田は狸寝入りを決め込んでいる。今美海に会うと自分が恐れていることをポンと言われそうだからだ。
美海は襖を開けて物置を探っている。
箱を持ち出し中を開ける。
あ。これだ。
カパッ
中には美海がこの時代に来た頃に着ていた白衣が入っていた。
久しぶりだなぁ。洋服だ…。
美海は感動に浸っている。
あ!そうだそうだ。
今度は白衣を箱から出すと内ポケットを探った。
「あったぁぁぁぁ…!」
美海は2つの物を持つと再び診察室に戻っていった。
バタバタバタバタ!
ガラッ
「松本先生!これとこれを作ってほしいんです!」
「なんだいこれは?」
松本は怪しい物を見る目で言う。
「マスクと注射器です!」
美海の手にはタイムスリップした前の物だから、もう大分前の注射器とマスクが握られていた。
こっちにきて、たまに人を助けることはあったが、逆に斬ることが多くなったように思う。
否、もともと人を斬ることなどなかったのだが。
忙しさのあまり、沖田の結核疑惑のことなどさっぱり忘れていた。
「はぁぁぁぁぁぁ…」
美海は盛大なため息が着く。
そんなある日のことだった。
バタバタバタバタ…
ガラッ!
「美海!大変だ!」
「なんですかぁ?私の僅かしかない優雅な一時を邪魔するんですかぁ?また急病人ですかぁ?はいはい。ていうかノックぐらいしてくださいよぉ」
息を荒くした原田が戸の前に立っている。
美海はやさぐれている。医者のくせにあるまじき姿だ。
ていうかノックのことは美海が言えたことではない。
けっ
美海は吐き捨てた。最悪だ。https://blog.udn.com/a440edbd/181353577 https://classic-blog.udn.com/a440edbd/181360191 https://carinaa.blog.shinobi.jp/Entry/10/
「違うんだよ!人相が悪いつるっパゲの親父が美海に用だってよ!やべぇよ!つるっパゲだぜ!?つるっパゲ!」
「つるっパゲの…親父…?」
美海はこれまでにこっちでできた知り合いを頭に巡らすが、思い当たらない。
「起きろよ!」
バシッ
「へぶっ!」
なんか今日の心の中の私はツッコミが冴えてる気がする…。
美海が近藤の頬を叩くと変な奇声を上げて起き上がった。
「お?……………こちらは松本良順先生だ。江戸の医学所頭取も務めたことがあるすばらしい先生だ。去年の8月は将軍の治療も行った」
あ。何もなかった振りしてる。寝てなかった振りしてる。でも近藤さん。さっき自己紹介してもらったよ。
つるっパゲ何気すげぇ!
沖田はポーカーフェイスだが原田、永倉、藤堂はムンクのような顔になっている。
「立花美海です。一番隊隊長補佐と一応新撰組で医師をしています」
美海は頭を下げた。
「君が例の立花くんだね。剣も立つが医療の腕もすばらしいと近藤先生から聞いているよ」
美海は近藤にも頭を下げた。
「しかし…。彼の例の話は本当ですか?」
松本は近藤に振った。
「確かです」
近藤は真っ直ぐに見た。
「?」
例の話?
「近藤先生が言うから信じるが…立花くん…。君は未来から来たらしいね」
ぇぇぇぇえ!?なんで!?なんで言ったの!?
グルンと一気に近藤を見る。
それに気づいた近藤は満面の笑みで頷く。
わかってねぇ!
助けを求め、襖の隙間からチラリと沖田達を見る。彼らは部外者に美海の素性をバラすという、近藤の意味のわからない行動に石化していた。
松本が真剣に見てくる。
「ど…ど……え…?あ……」
美海は言葉にならない。
「未来から来たから未来の医術を知っているとか」
あ゛ー――もう!
近藤さん知らないからね!知りませんよ!
「はい。そうです。約150年程後から来ました」
「ほぉ…」
松本は目を見開き驚いている。
「で。松本先生。その…」
近藤が言いにくそうに口を開いた。
「わかってますよ。この部屋にくるまでに見せてもらいましたが、病人、怪我人が多い。
的確な治療はしてあるが完治してない。若い立花くん一人じゃとても間に合わないんでしょ。
…診察しましょう」
「先生ぇぇ~~!」
近藤は立ち上がりブンブンと松本の手を握った。
「近藤先生の頼みですからねぇ…」
松本は苦笑いした。
え?ていうことは私一人で診察しなくていいの!?やった!
ガラッ
「立花くん。いまから始めよう。手伝ってくれないか?」
松本は戸を開けて立っている。
「はい!」
美海は大きく頷いた。
スタスタスタスタ…
スタスタスタスタ
廊下に二つの足音が響く。
通りすぎる隊士はあれ誰だと言わんばかりに振り向いてくる。
「立花くんの大部屋に病人を集めるという処置は正しいと思うよ。無駄な感染を防ぐためだね」
「ありがとうございます」
「あと隊士の清潔を保つために風呂は用意したほうが良いですな」
「あ。風呂は手配してあります。直に届くかと」
「ほぅ」
「そうなんですかぁ…」
「うん…だからもうあんまり会えへんなぁ」
明里は寂しそうに空を見上げる。
「また、遊びにきてくださいよ!」
美海は明るく笑った。
「そうやね!」
つられて明里も笑った。
「じゃあ。もう行くわ!」
明里はその場を去った。
冷たい風が吹く中、美海はその後ろ姿をじっと見ていた。
「美海さん」
「沖田さん!」
呼ばれた方を振り向くと沖田が立っていた。https://carinacyril786.livedoor.blog/archives/5232085.html https://note.com/carinacyril786/n/nf6faab1816f9?sub_rt=share_pb https://carinadarling.joomla.com/1-uncategorised/1-2024-11-26-51-10-21
「寒いでしょう。温かいお茶淹れたんで中で飲みましょう」
ドキンッ
「はい!」
美海は心臓に手を当てて笑った。
好きなんだなぁ。
美海は駆けて言った。
山南は時が流れて忘れられると言ったが、それはないだろう。
あの人は大きなものを沢山残していったのだから。
山南の切腹後直ぐ、人数が多すぎて窮屈であった新撰組は、03月10日、壬生から離れ、西本願寺に移転した。
だが広くなり安堵したのも束の間。
「なんでこんな多いのぉぉぉお!?」
美海の雄叫びが響き渡った。
ガラッ
「美海さん!終わりましたか!?急に熱を訴えだした者が!」
沖田が勢いよく戸を開ける。
毎日沢山の乱闘があり、実は今、新撰組隊士の多くが風邪、体の一部を負傷など、病人が多いのだ。
最近やっとそれに手を動かし始めたのだが、医者が美海一人の新撰組は全く手が足りないのだ。
忙しさのあまり未だ美海と沖田の恋には進展あらず。
「すぐ行きます!」
バタバタバタバタ!
パチン
「近藤さん。流石に美海一人じゃ限界じゃねぇか?」
近藤の部屋で将棋をしていた土方が屯所中を忙しく駆け回る美海を見て言った。
パチン
「確かにな…奴を呼ぶかなぁ…」
「奴?誰か頼りはいるのか?」
「あぁ。すっごいのがな」
近藤はそう言うとニッと笑った。
「まずいなぁ…」
とりあえず体に不調がある隊士を一つの部屋にまとめた。完璧に完治している隊士は少なく、怪我も応急処置でいっぱいだ。
「美海さん!コホッこれはどうしたら?」
沖田は取り替えたであろう沢山の濡れた手拭いを抱えている。
咳…?
美海はそんな沖田をまじまじ見る。
「な…なんですか?ケホッ」
やっぱり。聞き間違えじゃない。絶対に咳してる。
ここ最近部屋でも夜我慢したような咳が聞こえてくるのを美海は知っている。
「沖田さん。一回診させていただけませんか?」
まだ確信はない。決定的証拠もない。
ただ、“沖田総司は結核”という現代で学んだ歴史的知識が美海を不安にさせる。
あの頃はただかわいそうだなとしか思わなかったのになぁ…。
「診るって私を!?…いやだなぁ!どこも悪くない私を見るよりひどい隊士さんを見てあげてくださいよ!」
沖田は明るく笑う。
「いや。沖田さん咳してるし立派な病人ですよ。一番隊隊長が倒れたらどうするんですか!」
「大丈夫です。ただの流行り風邪ですよ♪放っておけば治ります!
じゃ!美海さん、確かここ(西本願寺)には風呂がないから樽でも貰って来いって言ってましたよね!街に探してきま~す!」
そう言うと沖田は逃げるようにその場を去った。
「全く…」
美海はため息をついた。
それから美海は巡回、非番の日は治療とかなりハードなスケジュールになっていた。
「なんか病院生活に戻ったみたい…」
美海はポツリと呟いた。
「え?」
美海はこたつ寝転がり肘をついて頭を支えている。親父体勢だ。
そんな姿を沖田は直視できない。
久しぶりに現代のようなハードな生活に戻り、美海はかなりの疲労が溜まっていた。
ったくこっちが何したってんだよ。何もしなかったら調子乗りやがって。どいつもこいつも…まじ殺す。
「チッ…」
美海はかなりの殺気を出しながら歩いていたため、自然、隊士達が道を開けた。
「おっ!美海……お疲れ」
最初は明るく声をかけた永倉だったが、美海の姿を見てトーンを落とした。
永倉は昼の巡回だったため、同じ目に遭っている。
「おう」
美海は手を挙げて去った。
「…ははは」
今日はやけに勇ましいなぁ。https://john.anime-movie.net/Entry/9/ https://andrea.99ing.net/Entry/9/ https://carinacyril786.futbolowo.pl/news/article/news-8
永倉は苦笑いだ。
美海が風呂場に着いたころ、沖田は自室に着いていた。
まずいまずいまずいっ!
今美海さんはキレてて頭が回転してないから自分が女なの気にせず風呂に入る!
後から誰か入ったらどうすんですかぁぁぁぁ!
沖田は凄い勢いでサラサラ紙に筆をおいた。
よしっ!
それを持って再び沖田は風呂場へ走った。
バタバタバタバタ!
「お!総司!今日は災難だったなぁ」
そう声をかける永倉を無視して沖田は走り去った。
「俺って結構可哀想だよな」
永倉は呟いた。
ザッ!
急いで脱衣場に着くと既に美海は居らず、どうやら入った用だ。
「はぁ…」
だが次の隊士も入ろうとしていた。
ほぉら。言わんこっちゃない。
「あなたたち。今は入らないほうがいいですよ」
パシッ
沖田は壁に紙を貼った。
『立花美海入浴中。怪我をしたくなければ入る不可』
「沖田隊長。どうしたんですか?」
もう一人の隊士が口を開いた。
「美海さんは巡回中いろいろあって今すこぶる機嫌が悪いんです。ボコボコにされますよ」
沖田は苦笑いした。
「そ…そうなんすか…」
「詳しくはさっき巡回に行った一番隊隊士に聞いてください。ご迷惑おかけしてすいません」
「いえ!ありがとうございます!行こうぜ」
隊士は二人でまた戻っていった。
パシャ…パシャ
中から水の音が聞こえる。
仕方ないなぁ。
沖田は扉の前に座り込んだ。
ブクブクブクブク…
美海は水を鼻まで浸けて息を出していた。
はぁ。悲しいなぁ。上手くいかない。
ブク…ブクブク
でもあっちの気持ちも考えたら当たり前かぁ…。
美海は息が続かず顔を上げた。
「はぁぁぁ…」
ため息が広がる。
クスッ
大きなため息だなぁ。
沖田は小さく笑った。
だが美海は天井を見上げて固まった。
「…え?」
「よっ!」
そこには当たり前のように山崎が顔を覗かせていた。
「……ぃやぁぁぁぁぁぁあ!」
ガンッ
「ぶっ!」
美海は悲鳴を上げると山崎の顔面に桶をぶつけた。相手は気絶している。
ガラッ!
「美海さん!?」
沖田が扉を開けた。
「…え?」
沖田も目を点にする。
中では立ち上がって全裸のままの美海がいた。
ジリジリジリジリ!
ボッ!
美海の顔が真っ赤になったと同時に奇声を上げた。
「ぅっぎやぁぁぁぁぁぁぁあ!」
ガンッ
「ぅぶっ!」
結局沖田の顔面にも桶がクリーンヒットした。
沖田は鼻血を足らしながら気絶している。
「どうした!?」
バタバタと足音が聞こえる。
やっべ!
美海は沖田を中に引き込んで戸を閉めた。
隊士は張り紙を見たようだ。
「た…立花さん!どうしましたか!?」
少し声が裏返っている。
「あぁ。ちょっと足を滑らせただけです。お騒がせしました」
なんだと隊士はまた戻っていった。
「これはまずいなぁ」
美海は体を拭き、着替えると既に意識を手放した男二人の襟元を片手ずつもって引きずりだした。
ズルズルズル
華奢な少年美海が大の男二人も引きずっている。
「お!美海!今日も元気だなぁ!はははは!」
「はい。お疲れさまでーす」
原田は何故二人が引きずられているのか気にならないのだろうか。
馬鹿は深く考えないのか。
ドサッ
とりあえず山崎と沖田を美海の部屋に並べて寝かすと顔に冷たい手拭いを乗せた。
沖田さんには悪いことしたなぁ。
美海は火照った体を冷やすため、縁側へ出た。
山南は北辰一刀流だ。この道場の門下生のほとんどが水戸藩士だった。
水戸の者は尊皇攘夷思想が強く、道場全体で尊皇攘夷を謳っているようなものだ。
だからだろう。山南は理屈のような尊皇攘夷を語る。
困ったなぁ。自分で聞いてなんなんですが、全く尊皇攘夷とかわからない…。
「まぁ。私は攘夷とかよくわからないんですけどね。新撰組は尊皇攘夷っていうよりも上様や松平公や一般人などを守るためにあると思うんです」
今度は山南が黙って聞く。
「攘夷志士を斬るっていうよりかは、沢山の命を奪うような不逞浪士を斬ってるんじゃないでしょうか。まぁ」
沖田は後ろに手をついて空を見上げた。
「私には上様も尊皇攘夷も関係ないですけどね。言っちゃ悪いけどどっちもあまり興味がないんです。私はずっと近藤さんに着いていくだけですから」
そう言った沖田の横顔を見て、山南もあぁ、この子はこういう子だったな。と微笑んだ。
「隊士さんにもいろいろいるんじゃないですか?尊皇攘夷を志す人や、上様を守りたい人、一般人を守りたい人や家庭を守りたい人。はたまたお金が欲しいだけの人とかね!」
沖田は山南をみて笑う。https://domoto63.blog.shinobi.jp/Entry/32/ http://jeffrey948.eklablog.com/-a216466095 https://alicia034b.cos-mania.net/Entry/117/
「まぁ。十人十色!人それぞれですからね!別に山南さんの考えは可笑しくないですよ!むしろ近藤さんに着いていくと言っているだけで人を斬りまくっている私の方が狂ってる」
沖田はおどけて笑った。
「きっとこれからも新撰組は人を斬り続けるし、私も斬り続けます。美海さんに仮病を使っているようですが、いつかはボロがでて山南さんも斬らなきゃ駄目になります」
「仮病って気づいてたのか?」
「彼女は医師ですから。でも言わなかったのはやっぱりあなたのことが好きだからだし、何か理由あってのことだろうとわかっていたからなんでしょう」
「美海くん…」
「まぁ隊士さんに仮病ってバレても彼らはあまり気にしませんよ。彼らもあなたのことが大好きですからね。皆山南さんのことが大好きなんです。だからそんな彼らのことを守るために剣を振ってると考えれば、そんなに苦じゃないでしょ?」
にっこりと沖田は笑う。
「確かにそうかもしれないね」
山南もつられて笑った。
本当に沖田は不思議な少年だ。いつも思う。
「あ!宗次郎!遊んでよ!山南さん疲れたって休憩しちゃったんだよ!」
子供が沖田に気付いたようで大声で呼ぶ。
「そうだったんですか?」
沖田はびっくりしたような顔で山南を見た。
「あぁ。ひたすら鬼をやらされてね…」
「宗次郎ー――!」
「仕方ないですねぇ」
沖田は立ち上がると下駄をカランコロンと音を鳴らせて階段を降りた。
日が落ちるまでまだ大分時間がありそうだ。
あっと沖田は言うと何かを思い出したようでクルリと振り返った。
「池田屋の後に“居心地が悪い”って言ってたじゃないですか?」
「あぁ」
「私も気付いてるんですが、やっぱり総長という立場ですかね…」
沖田は少し俯いた。
山南は黙っている。
立場的には、局長、総長、副長の順なのだが、現場の指揮などは全て副長である土方が行っている。
山南は総長という立場に祭り上げられているだけで、近藤の相談役にしかならない。ただのお飾りなのだ。
「でもね山南さん。気持ちは分かるけど、相談役は土方さんもできないことです。皆あの人の相談役なんてできませんよ!」
話が通じないんだから、と笑っている。
「だからすごいことなんですよ。局長を支えてるんだから!見方を変えてみてください。山南さんにしかできないことっていっぱいありますよ。居場所はいっぱいありますよ」
沖田はそういうと前を向いた。
「じゃあ行ってきますね!また稽古にも付き合ってくださいよ!これも山南さんの役目です」
沖田は子供達の中へ入っていった。