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「そんな酷い殴られ方したのか。そうだよなそんだけ赤く腫れてたらな。」
吉田の殺気が増す一方でそんなに酷い顔になってるのかと三津は殴られた頬をさすった。
「三津さんの手前刃傷沙汰は避けたがやはり斬れば良かったか。」
「それが手っ取り早くて良かったが廊下汚すとサヤさんに。」
「怒られる。」 https://lilly.99ing.net/Entry/3/ http://johnsmith786.futbolowo.pl/news/article/news-2 https://www.beclass.com/rid=284d7b765eeba496108a
杉山と吉田は一瞬黙りこくってぶるっと体を震わせた。斬る斬らぬの話をする男達を震え上がらせるサヤとは一体何者なのだろうと三津は思う。
「違うこんな話をしてる場合でない。三津さん部屋へ送ろう。久坂が戻れば診るように頼んでおく。」
杉山は行こうかと流れるように三津を連れて行った。吉田は拳を握りしめ桂の部屋へ行った。
「失礼します。桂さんさっき三津が。」
「あぁ絡まれてたね。杉山が助けてくれたようだが。」
文机に向かい下を向いているがその背中からは怒りに満ちた殺気が溢れ出ていた。
「分かってたなら何故助けに出なかったのです。」
吉田は障子を閉めて静かにその場に正座した。
「私が出れば余計に拗れる内容だったからね。三津の様子は?」
「結構な力で殴られたようで。頬が腫れてましたよ。杉山が部屋まで連れて行きました。それより何で三津は杉山を。」
「松助さんって呼ぶんだろうね。以前から気になっていた。そこは追々三津に確認するよ。それより何か掴めたかい?」
そこでようやく桂は吉田の方へ振り向いた。穏やかそうな顔の割に苛立ちが勝り文机を指でとんとん叩く。
「彼女の名は小夜と言い堀川の宿,藤屋に下宿してます。最初は三日ほど滞在すると言っていましたが五日から七日と引き延ばしてるようです。
お伊勢参りのついでに京見物に来たとの事です。」
「京見物で壬生寺ねぇ……。」
「お伊勢参りも京見物も口実で実際は壬生狼の誰かに会いに来たのかと。」
「その誰かは玄瑞からの報告を待とうかね。あと三津殴った奴は私が処するから手出ししないでね。」入江は昨日小夜が立っていた場所を訪れた。入江の予想通り小夜はまた同じ場所に立っていたが今日は様子が違う。
『また絡まれてる……。』
どっかの誰かさんと同じだなと笑って距離を詰めながら様子を窺った。
「せやからちょっと付き合ってくれたらいいんやん。」
「ですから私はここで待ち合わせを!」
「いやいやずっとここ立ってるの知ってるから。足疲れてるやろ?座って休みぃな。」
小夜が思うより小夜は目立っていた。京女とはまた違った色香がだだ漏れだ。
『立てば芍薬座れば牡丹,歩く姿は百合の花。まさにあの人だね。』
行き交う人はちらちらと見るが我関せずと助けようともしない。
「遅くなって申し訳ない。すみません私の連れなんで気軽に触れないでいただきたい。」
入江は小夜の肩を抱いて引き寄せると絡んでいた男ににっこり笑いかけた。あからさまに疑いの眼差しを向けて去ろうとしない男に入江は舌打ちをした。
「何見てんだよ。二度と目ぇ開かねぇようにしてやろうか。それともこっから動きたくない?それなら両足斬り落としてやるよ。」
笑った目を見開いて失せろと威した。いつの間にか周りの冷たい視線が向けられてるのに気付いた男はクソッ!と小さく吐き捨てて小走りで逃げた。
「また会いましたね。」
入江が手を離すと小夜は深々と頭を下げてお礼を述べた。
「よほど会いたいんですね。その恩人に。」
「はい……。その方々も今の貴方様のように助けて下さいました。なので京を立つ前にどうしてもお礼が……。」
「でも折角その人らにも助けてもらったのに同じような目に遭ってたら駄目でしょ。」
それには返す言葉もなく小夜はそうですねと項垂れた。