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Alicia McKenzie's Blog

穏やかな笑みは瞬時に悪戯っ

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穏やかな笑みは瞬時に悪戯っ

穏やかな笑みは瞬時に悪戯っぽいものに変わった。

 

 

「ホンマに一言多いですよね。」

 

 

「誉めてるんだけど?そのままが一番だって。

分かり易いから。」

 

 

『その一言が余計だって。』酒に満たされた徳利を手にしたままで上の空。

思い浮かべるのはいつもと違った三津の姿。

 

 

「桂はん考え事ですか?」

 

 

幾松の甘い声に桂の肩がぴくりと反応した。

そして酒を一口含むとうっすらと笑みを浮かべる。

 

 

「ここに来る途中稔麿に会ったんだ。」 https://debsy.usite.pro/blog/2023-12-20-1 https://ypxo2dzizobm.blog.fc2.com/blog-entry-74.html https://william-l.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-cff460.html

 

 

「一緒に来はったら良かったのに。」

 

 

幾松が徳利を傾けて猪口に酒を注ぎ,それで?と話の続きを求めた。

 

 

「三津さんを連れてたんだ。」

 

 

いつもと違う雰囲気を纏って大人びた三津を。

そんな彼女を連れていたのが吉田だった。

 

 

思いがけない組み合わせに不覚にも動揺してしまった。

 

 

「お三津さん?

あぁ!桂さんのここ手当てしはった子。」

 

 

幾松は左腕の傷があるあたりを人差し指でわざと押した。

 

 

もう痛くないよと桂は笑って酒を流し込んだ。

 

 

「吉田さんに嫉妬してはるん?

珍しく顔にそう書いてはる。」

 

 

桂にしなだれかかり,華奢な指先はその頬に触れた。

 

 

「最近はずっとそのお三津さんの話ばっかりですもん。

何か違う感情をお持ちでしょ?」

 

 

幾松はくすりと妖艶な笑みで桂の核心に迫ろうとしていた。

 

 

「そうだったかな?

それより稔麿が三津さんと知り合いだなんて知らなかったよ。」

 

 

頭を掻きながらとぼけた顔をしてみせた。

 

 

「だから桂はんが嬉しそうにお三津さんの話しはったんでしょ?吉田さんや藩邸の人らに。」

 

 

幾松は聞かされた私の身にもなってよとぷっくり頬を膨らませた。

 

 

「おや,私は三津さんの話をする時そんな顔をしていたのかい?」

 

 

そもそも三津の話をそんなにした覚えもないのだがと苦笑した。

 

 

「それで吉田さんと一緒やったのが気に入らないんですか?」

 

 

『全く男って奴は。』

 

 

幾松も段々呆れてきた。

すぐに若い娘に目移りするんだから。

 

 

わざと拗ねて嫉妬をちらつかせて上目で桂を見つめる。

 

 

『私に会いに来る時ぐらいお三津さんを忘れて来てくれへんのかしら。』

 

 

いつもそう思うが今日改めて気付いた。

こんな桂は初めてだ。

それだけ三津には特別な想いがあるらしい。

 

 

「一緒にいたのにも驚いたけどそれより驚いたのは三津さんがいつもと違って着飾ってた。

気がある人の為にはやはり着飾るものかい?」

 

 

「女子なら誰でもそうやと思いますえ?

私かてそうやないですか。」

 

 

いつも私の何処見てるの?と桂の頬をぎゅっと摘んだ。幾松を怒らせてしまった事をそこそこ反省しながら夜道を歩く。

 

 

『また壬生狼に斬られたら手当てしてくれるだろか。』

 

 

なんて考えてしまう自分は末期だと可笑しくなる。

 

 

『あぁそうだ。縁談の話も聞かなければ。』

 

 

吉田といたところを見れば上手く断ったのは予測がつくけれど会う口実が必要だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋敷に戻れば縁側に腰を掛け手酌酒で月を眺める吉田の姿が目に入った。

 

 

「お帰りなさい一杯どうですか?」

 

 

吉田は一人だと言うのにお猪口はもう一つ用意されている。

自分の帰りを待っていたとしか思えない。

 

 

「では少しだけ。」

 

 

吉田の隣に腰を下ろすとご丁寧に用意されていた猪口を手に取り酌を受けた。

 

 

「帰りを待ってまでも話したい事でもあるのかい?」

 

 

皮肉ったような言い方に吉田の口元は緩んだ。

 

 

「嫌だな私は幕府の連中の情報が聞きたいだけですよ。

桂さんの方こそ聞きたい事がお有りで?」

 

 

『私とした事が墓穴を掘ったか。』

 

 

喉を鳴らして笑う吉田を横目に一気に酒を飲み干した。

 

 

これでは三津に気があるのが見え見えではないか。

 

 

「稔麿こそ何か得たものは無いのかい?」

 

 

平静を装って手酌を始めた。

 

 

「そうですね。

三津が人捜しをしていてその相手が壬生狼という事ぐらいでしょうか。」

 

 

吉田は首を傾げ考える素振りをして思い出したと口を開いた。

 

 

「壬生狼を?」

 

 

また何でそんな奴らを三津が捜しているんだ。

 

 

思わぬ情報に桂は注ぐ酒を猪口から溢れさせてしまった。

 

 

「桂さん溢れてますよ。」

 

 

こんな桂は見たことない。

こうなれば吉田のにやにやも止まらない。

 

 

「町で倒れた三津を壬生狼が背負って店まで送り届けたって話しで,三津は壬生狼にお礼がしたいそうです。」

 

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