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相棒は、鳶と山崎へ向かって匍匐前進しつづけている。
なにをやってる。動け、動いてかれらを護るんだ。
自分を叱咤する。
静寂・・・。
俊春の恫喝の効果かどうかはわからないが、一瞬、銃撃がやむ。
ざっとみたところ、easycorp
三十名ほどの小隊。
腹ばいになり、やっとのことで匍匐前進を開始する。
袂がまくれあがり、前腕がむきだしになる。砂利が、容赦なく皮膚を裂く。それでも、つづける。すこしずつまえにすすみ、相棒に追いつく。
鳶と山崎。さらに向こう、敵の小隊に向かう俊春越しに、敵が射撃体勢に入っているのがみえる。
敵の小隊との距離は、100メートルもない。
いくら俊春でも、三十丁の銃からいっせいに発射されるを、斬ったりよけたりつかんだり、できるわけない。たぶん・・・。
俊春は自分が囮になり、敵の気をおれたちからそらそうとしてくれている。
前方に、をはしらせる。
鳶と山崎がいる位置から左側に、幕府軍が応戦用につくりかけていたのか、土嚢が積まれている。
ってか、積まれているというよりかは、放り投げられたって感じである。
這いつくばれば、かろうじて頭が隠れる程度。高さにすれば、30センチあるかないか、といったところか。
これぞまさしく、「頭隠して尻隠さず」である。
プリップリのムッチムチの尻なら、土嚢からとびだし、尻にが当たってしまう。
よし、大丈夫。三人とも小柄である。
三人とも、モデルもびっくりなほど、臀部には尻えくぼが、背にはヴィーナスのえくぼがあるはず・・・。
おれに関しては、にくるまえ、尻えくぼをみた気がする・・・。
くそっ、もっと筋トレしとくべきだった。それに、にきて、太ってしまったし・・・。
ってか、それ、いま考えるべきことか?
こんなときでも、突っ込んでしまうおれっていったい・・・。 兎に角、二人をあの土嚢に連れ込む。
そして、俊春の後顧の憂いを断つ。
「相棒、二人を、あそこにひきずりこむ」
相棒と顔を並べ、いいながら指で指し示す。
こちらの動きを察知されれば、向こうは撃ってくる。慎重に動かねば・・・。
雪で濡れた地面。
着物は、泥だらけになっているだろう。相棒の毛皮もまた。
左腰の「之定」が、邪魔である。このときばかりは。
おれたちが接近していることに、鳶が気がついてくれた。
こちらへを向けてきたので、指で土嚢を指し示す。
おれたちの距離は、4~5m。
山崎は、仰向けに倒れている。
意識がないのか、ピクリともしない。
鳶に、口の形だけで怪我はないかと問う。
すぐに、かれはでまずいっぽいことを伝えてくる。
動悸が、はやまる。
兎に角、いまは土嚢に隠れることが先決。
鳶は、怪我をしていない。山崎だけ引っ張ればいい。
をかすかに左右に振る。それから、指で山崎を示し、をわずかにあげ、俊春をみる。
さすがである。俊春は、おれたちの動きを察知している。
かれのあゆむ速度が、わずかにはやくなる。「いかがいたした?撃たぬのなら、遠慮なく、こちらからゆかせてもらうぞ」
俊春の怒鳴り声は、あきらかに敵をびびらせたようである。
恐怖に耐えきれず、引き金をひいてしまった兵がいる。
なにかが起こったとしても、この体勢からではみえない。ってか、すぐ横でガン見してても、わからないであろう。
兎に角、三発の銃声が鳴り響いたときには、俊春は三発のをどうにかしたはず。
「村正」で弾丸斬りしたか、超神速でよけたか、掌でつかんだにちがいない。
またしても訪れる静寂。
かれが、敵の注目を集めてくれている間に・・・。 陸自の隊員も、「グッジョブ!」といってくれそうなほどの速さで匍匐前進。掌を伸ばし、山崎の肩をつかむ。
相棒も、鼻づらを伸ばし、山崎の袂を噛む。
鳶は、おれたちとは反対側の山崎の肩をつかみ、同時にひきずりはじめる。
前方より、ごろごろとなにかを転がす音がきこえてくる。山崎をひきずりながら、また