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未練や怨念といった強い思いが、刀に取り憑いてしまうと言いたいのだろうかと桜花は小首を傾げる。
「そ……その力とは一体どういう物なのでしょう。書いてありましたか?」
桜花の問い掛けに、吉田は小さく頷いた。書物の頁を何枚か捲り、指をさす。
「──君の薄緑は武力を向上させ、僕の鬼切丸は知力を向上させる。もう一振りの短刀は、縁が強い者の予知夢を見る。https://lilly.99ing.net/Entry/1/ これら三振りを集めれば願いが叶うとのことだ」
つまり、武をもっ https://johnsmith786.futbolowo.pl/news/article/news https://www.beclass.com/rid=284b3cb655467259ce4c て敵をねじ伏せ、知をもって敵を惑わせる。短刀とは本来守り刀であるため、予知夢で縁が強き者を守るということだろう。即ち天下を制することが出来るという事だ。
まるで夢物語のような話しではあったが、現に痣が顕現している以上は信じざるを得ない。
「……願い…………」
──もしこの話が本当ならば、あの紙に書いてあったこと……"未来"という場所へ帰ることが出来るかも知れない。それがどのようなところかも分からないけれど、きっとそこが私の居場所なのだ。
ぼんやりとした世界に光が差し込んだかのような感覚がする。
そんな桜花とは裏腹に、吉田は心が晴れずにいた。
何故ならまだ二つ隠していることがあるのだ。
一つ目は、一度刀を所有し紋が刻まれてしまうと、その者が死ぬか、刀から拒絶されるまで主を変えることが出来ないということだ。つまり刀身のみが手に入ったとしても、真価を発揮することはない。
二つ目は、願いを叶えるためには何かしらの贄が必要となることだ。それが何であるかは分からない。他人の命か、あるいは自身の命か。
刀を揃えるだけで願いが叶うなど、そう上手い話が有る訳が無いのだ。
──話すべきじゃろうか?否、さすればこの関係性には疑心暗鬼が付き纏うようになる。短刀が手に入ってからでも遅くは無かろう。「──さん、吉田さん」
遠慮がちな手が肩に触れ、吉田はハッとした。
「ご、ごめん。ぼんやりとしていた。もう一度言うてくれんか」
「吉田さんの願いって何かなと」
「僕の願い…………」
その問い掛けに再び思案顔になる。視線を落として何も無い畳を見詰めれば、意識が過去へ引っ張られた。
それを見た桜花は、申し訳なさそうな表情で吉田の機嫌を伺うように覗き見る。
「あの、無理に言わなくても、大丈──」
「…………にもう一度会いたい……」
独り言のように呟かれたそれは、何処か寂しさを感じさせる。
「先生?」
復唱された言葉を聞き、吉田は思っていたことが口から滑り出ていたことに気付いた。手のひらを唇に押し当てる。
──僕は今なんと……。
志士として、国の名誉を取り戻すことを願わなければならぬはずだというのに。自身のを思うとは軟弱者だと己を恥じた。
ちらりと桜花の顔を見ると、自分の言葉の先を待つようにジッと見詰めてくる。それは癖なのだろうが、心まで覗くようなその瞳はまるでを彷彿とさせた。余計なことまで言ってしまうのはそのせいだということにする。
「……前に言った、お師さんのことだ。つまらない話しだから、聞いても面白く無いよ」
少しだけ突き放したように言ってみるが、むしろ桜花は目を大きくし、首を横に振った。
「吉田さんのお話しはいつも面白いです。ぜひ聞かせてください」
『あにうえのお話しがききたいです』
その好奇心や好意に似たものを隠そうともしない姿は、に居る年の離れた妹と被る。
「…………君は、物好きだね」
自分の話しなぞ聞いたところで、何の足しにもならぬというのに。何故聞きたがるのか。だが、全く不快では無いものだから、不思議だった。
思わず笑みを零せば、桜花はぼんやりとした後にみるみる頬を朱に染める。
「そして、……変だ」
「へ、変……ですか」
──男だというのに、女のような顔をしよる。そしてそれを愛らしいと思ってしまう僕もおる。これを変じゃと言わずに何と言うのか。
「……冗談だよ。先生のことだったね。名は