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広間に近い場所を掃除しながら聞き耳を立てる。面倒事に巻き込まれる覚悟を決めたのに桂はそうはさせたくないようで状況を教えてくれない。
だから三津は自分で情報を集める事にした。今もその真っ最中。
「全然進展しない話をよく長々出来ますよね。」
「いやいや入江さんこそこんなとこおらんと話し合い混じらなアカンでしょ。」
何故か入江は三津の隣りで掃除を手伝っている。https://carinadarlingg786.blox.ua/2024/03/14/%ef%bd%a2%e9%80%a3%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%81%8b%e3%82%8c%e3%81%9f%e6%99%82%e6%b1%a0%e7%94%b0/ https://carinadarling.livedoor.blog/archives/4528384.html http://mathewanderson786.rentafree.net/entry/1031732
「後で玄瑞から聞くんでいいんです。それに来島さん絶対折れないし。」
絶対折れないのはここ数日で分かった。池田屋での騒動の後,桂と乃美が頭を悩ませていた急進派がより過激になった。
桂と久坂がどうにか抑えようと説得を試みる相手,急進派の来島又兵衛こそ今一番厄介な相手だった。
「話にならんっ!」
怒鳴り声と共に勢い良く障子が開いて派手な足音を立てて来島が出てくる。これも一連のお決まりの流れだった。
「いつまで続けるんですかね。」
「ねっ。」
三津と入江は瞬時に身を隠してひそひそと話した。
「君達もいつまでそんな間者紛いな遊びをするんだい?」
不機嫌な桂の顔がぬっと目の前に現れて二人はへへっと笑みを浮かべた。
「九一,お前も参加しろよ……。」
「だって私じゃ説得出来ないし。せめて晋作が居たらねぇ……。」
「高杉さんなら出来るんです?」
桂と久坂が苦戦する相手を高杉が?そんな顔をしていると久坂が疲れきった笑顔で三津を見た。
「晋作と来島さんは馬が合うみたいでね。」
「なるほど曲者ですね。兄上お疲れ様です。」
少しやつれたのでは?と痩けたように見える頬にそっと手を添えた。あんな人物を毎度相手しているならさぞかし心労も溜まっているだろう。
「あーこれだけで癒やされるわ……。」
久坂が三津の手に手を重ねると不機嫌な咳払いが二人を引き裂いた。これは面倒臭い展開になったなと三津は恐る恐る桂を見上げた。
「私も疲れている。」
「はい……お疲れ様です……。」
なんとも子供じみた嫉妬を見せてきたもんだと内心思ったが,連日の論争を聞いてる限り精神的に参ってるのは間違いない。
「ホンマにお疲れ様です。」
三津は精一杯背伸びをして桂の頭の上でぽんぽんと手を弾ませた。
桂の時が一瞬止まった。今までに三津がそんな事をしてくれた事があっただろうか。
「三津っ!」
桂が抱きつこうとしたのを入江が間に入ってしれっと阻止した。
「いっそ晋作呼び寄せます?事情が事情なので謹慎解くのは可能では?」
「俺も考えたが,あっちに連絡よこして返事を待って仮に許可が下りたとして晋作がこっちに来るまでにどれだけ時間がかかるか……。」
久坂は眉間を指で押さえた。
「確かに一番話が通じるのは高杉かもしれん。だが今回は身内が……吉田が殺られてる分高杉でも説得は難しいと思うがな……。」
『乃美さんでも高杉さんやないとって思うんやったら,めっちゃ難しいんやない?』
それと同時に吉田の存在の大きさも再認識させられた。そんな人に守られたのだからどうにか恩を返したい。何かしなければと変な責任感に駆られた。
かと言って何の面識もないただの小娘が面と向かって来島に何か言える立場でもない。三津は自分の無力さに辟易した。
「何故貴女がそんな顔をするのでしょう?」
気が付けば入江が目線を合わせるように腰を落として顔を覗き込んでいた。
「ん?何が?」
そんな顔とは?変な顔でもしてたのかと自分で頬をむにむに揉んでは引っ張った。
「えっ何その頬めっちゃ伸びる。」
入江が新しいおもちゃを見つけたと言わんばかりに目を輝かせて手を伸ばした。