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Alicia McKenzie's Blog

三津はこっ恥ずかしくなって走って逃げた

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三津はこっ恥ずかしくなって走って逃げた

三津はこっ恥ずかしくなって走って逃げた。

 

 

「木戸さん……また名字に逆戻りじゃないか。」

 

 

小五郎さんと呼んでもらうまでにもかなりの時間を要したのにそれがまた繰り返される。

 

 

「受け入れようとしてくれちょるんやけぇええやないですか。」

 

 

入江が小気味いいと喉を鳴らす。桂の小さな不幸を嬉しそうに笑う。

 

 

「そう言う九一こそあの戦で死んだ事になってるんだからもうその名を捨てて別の人間としてやり直したらどうだ?」

 

 

桂は新しく別人として戸籍を作り直せと言い出した。https://carinadarling.wordpress.com/2024/04/07/%e5%be%8c%e3%82%8d%e6%89%8b%e3%81%a7%e9%9a%9c%e5%ad%90%e3%82%92%e9%96%89%e3%82%81%e3%81%9f%e5%85%a5%e6%b1%9f%e3%81%af%e4%b8%89/ https://domoto63.blog.shinobi.jp/Entry/28/ http://eugenia22.eklablog.net/-a215651541

 

 

「そのつもりではいますよ?でもそれは三津が私と結婚すると言ってくれた時なんです。その時に入江九一を捨てて名前変えて二人で新しくやり直すんです。」

 

 

「その手続きなら私に任せちょき。」

 

 

文が萩で暮らせるように手配すると入江に乗っかった。文が言うと現実味が増すから冗談とは思えない。

入江にも同じ思いをさせようと思ったのに逆に追い込まれてしまった。

 

 

「お前なんかに三津はやらん。」

 

 

「木戸様それは完全に父親が言う言葉ですね。」

 

 

恋仲どころか三津の父親になってしまった。みんなが自分の味方ではないのは百も承知だが,既に精神的に参っているから大勢で責めないで欲しい。

 

 

そこへ夕餉を持って戻って来た三津達と一緒に伊藤も帰って来た。

 

 

「お待たせしました。沢山食べてください。」

 

 

フサがにこにこしながらおにぎりの乗った皿を差し出した。それと同時に伊藤も風呂敷包みを突き出した。

 

 

「着替え適当に取って来ました。それと桶屋さんが荷物全部こっちに運んだ方がええんやないかって笑ってましたよ。」

 

 

「ありがとう。流石伊藤君だね。晋作に行かせると絶対着替えなんか持って来てくれないからね。

まぁ出来たらここに居たいけど空き部屋がない。部屋に篭って書物をする日もあるから難しいね。」

 

 

だからたまに泊まりに来る程度に留めると笑いながら皿に乗ったおにぎりに手を伸ばした。

選んだおにぎりを美味しそうに食べる姿を見てフサは満面の笑みを浮かべた。

 

 

「木戸様の愛は本物ですね。」

 

 

「だろ?すぐに分かったよ。この一つだけ三津が握ったんだろ?」

 

 

三津も嬉しそうに笑って頷いた。

 

 

「間違える訳がない。私はこのおにぎりに命を繋いでもらったんだ。」

 

 

桂と三津は周りなど目に入ってないぐらいの雰囲気で微笑みあった。

 

 

「その空気が本来の二人の空気なんね。ほれ,邪魔しちゃいけんけぇみんな部屋に戻り。入江さんは赤禰さんとこにでも行っとき。」

 

 

文がぱんぱんと手を叩いて三津達を二人きりにするように促した。みんなは重い腰を上げてぞろぞろ引き上げた。

入江は去り際に布団入れ替えとくんでごゆっくりどうぞとにやっと笑った。

 

 

ここ最近は呑んで寝て起きたら桂が横にいる。意識のある状態で一緒に寝床に入るのはいつぶりだろうか。三津は変な緊張状態に陥った。

 

 

桂が湯浴みに行っている間,三津は布団の上に正座で戻って来るのを待った。

 

 

「三津入るよ。」

 

 

声をかけて障子を開けた桂は布団の上で背筋を伸ばして正座している三津を笑った。

 

 

「何を今更緊張してるの?昔に戻ったみたいで嬉しいけど。」

 

 

「しばらく距離を置いたせいでどうしていたか思い出せません……。」

 

 

「そう。思い出させてあげたいところだけど約束は守るよ。君が気持ちの整理がつくまでは何もしない。ゆっくり寝よう。」

 

 

桂が布団に入ってから三津も同じように横になった。

 

 

「三津,手を繋いでいてもらえないか?」

 

 

桂が布団の中から手を伸ばすと三津も手を伸ばしてその手を握った。

向かい合って手を握って見つめ合って,三津の心臓は久しぶりに早鐘を打った。

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