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の一文字に、途端に現実が目の前に迫った。幹部のみにしか伝えられていないが、江戸で薩摩藩邸が焼き払われた件については桜司郎も知っている。
恐らくはこの数日のうちに火蓋が切られるのだろう。
「……そうだね。https://www.evernote.com/shard/s330/sh/2ba52982-4bc4-190b-4a48-c888b16276dc/eLxuiQY66iSQm5DiS06WBquy3mvqC-JX3WEYtg_qBGfGzF16V2GOku7F-g https://blog.udn.com/79ce0388/180109120 https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202311280007/ 絶対に生き抜こう──」
行灯の明かりに僅かに照らされた横顔は、何処か遠い過去を見るように憂いを帯びていた。
その読み通りに、ついに開戦となる。正月も明けきらぬ僅か三日後のことだった。 陽も傾きかけた夕刻のことである。
ドン、と天地を割くような砲撃の音が立て続けに聞こえた。入京せんとする旧幕府軍とそれを阻もうとする薩摩軍が鳥羽街道の赤池付近にてぶつかり、やがて痺れを切らした後者が砲撃を開始したのだ。
それを皮切りに、新撰組が布陣する伏見でも戦いが始まる。
「──どうするッ、土方さん!」
奉行所内の一室に土方を中心とした組長が集められた。もはや熟考を重ねている猶予は無い。
土方は事前にあちらこちらへと斥候を配っていた。馬で駆け戻ったその者らから戦況報告を受けるなり、拳で畳を殴る。
「……そういうことか、」
「何がやられたんだよ、分かりやすく簡潔に言ってくれ!俺の頭でも理解できるように!」
原田の無茶ぶりを土方は鋭い眼光で黙らせると、苦々しく顔を歪めながら口を開いた。
「俺らが当初聞かされてたのは何だった」
「……江戸で傍若無人を繰り返す薩摩を討つべく、慶喜公が討薩表を朝廷へ提出。旧幕府軍が京入りしてから開戦となる──と」
山口の冷静な声が狭い部屋に響く。
「そうだ。その為の進軍を見廻組を中心にしていた筈だろう。しかも、聞くところによれば奴らを刺激せんように軽装で来るようにと言われていたらしい。……だが、その街道を薩摩が防いでやがった。しかも開戦した途端、あちらこちらで砲撃が始まったんだぜ」
「そりゃあ、随分と出来すぎた話しじゃねえかい」
赤池で戦闘が留まるのであれば、それは偶然と言えるものだったのかもしれない。だが、実際は戦火は瞬く間に伏見にまで及んでいた。
しかも進軍する旧幕府軍は戦闘を予想していなかったために、為す術なく壊滅級の損害を被っている。
「──つまり、江戸で薩摩が挑発行為を繰り返したことに対して腹を立てた時から、全て彼らの手のひらで転がされていたって訳ですね。も全て最初から仕組まれていたんだ。上手くしてやられましたね……」
桜司郎が喋り終えた瞬間、衝撃音と共に建物が揺れた。
「……こりゃあ近いぞッ!どっから撃たれた!?」
永倉は弾かれるように廊下へ飛び出すと、裸足で中庭へ駆ける。その間も弾が飛んできており、北の方角──薩摩が布陣している御香宮が射撃拠点となっていた。 伏見奉行所と御香宮は目と鼻の先に位置していた。しかも、御香宮の方が高台であるため明らかに分が悪い。
「畜生、バカスカ撃ちやがってッ!うちの大砲は、」
「無理だ。高台へ撃てるほどの飛距離は無い。しかも先程から狙いが随分と正確になって来ている。大砲を打ち込もうものなら、格好の的だ」
会津から支給された大砲は旧式のものであり、大した飛距離も見込めない上に、砲弾を篭めることにすら時間が掛かる。薩摩が使用するものに対して性能が劣ることは、素人目でも分かった。