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そしてその時、山口の言葉を肯定するかのように奉行所の建物へと着弾する。破壊音と共に木片が飛んできた。衝撃に耐えるように、腕で顔を覆うと永倉は舌打ちをする。
「…………それなら、大砲を止めてやる!懐へ入りこめされすりゃ、こっちのモンだッ!二番組、出陣の支度をしろ!……良いよな、土方さん」
新撰組の指揮官は土方だ。https://blog.goo.ne.jp/debsy/e/2e63be4217ebdc691b95e6d3a1b2de24 https://freelance1.hatenablog.com/entry/2023/11/28/223910?_gl=1*1w5jgsx*_gcl_au*MTU2NTI2NzMwOC4xNzAxMTcwMDU2 https://ameblo.jp/freelance12/entry-12830492855.html その許可を求めるように、永倉はギラギラとした視線を送る。
土方は眉間に皺を寄せると、近くにあった鉢金を掴み、永倉へと放った。
「ああ。あの大砲を止められりゃ御の字だ、頼んだぜ。……ただし、無理はするな。ここが最後のになるとは思えねえ。適当なところで切り上げて来い」
「応よ!」
受け取ったそれを額へ括り付けると、ドタドタと廊下を踏み鳴らして駆けて行く。
それを横目で見送った桜司郎も膝を立てた。
「──では、一番組も追随しましょう。切り込み隊の一番組が遅れを取ったとあらば、沖田先生に面目が立ちませんから」
「なら、三番組はその背を守ろう。……おい榊、甲冑くらい着込んだらどうだ」
山口はその格好──鉢金のみを見咎める。だが、桜司郎は首を振った。
「私は着物の中に鎖を着ていますから。それに鉄砲や大砲の前には甲冑は無力ですよ。むしろ動きが鈍くなって、白兵戦の最大の利点を失ってしまいます」
至極冷静な分析と、瞳に宿る静かな焔に山口は息を飲む。本来、白兵戦であれば機動力も大事だが、防御力も肝要なはずだ。
しかし、この戦場において主たる武器は刀や槍ではなく、鉄砲や大砲であるのだと短時間で見抜いていたのかと舌を巻いた。
「…………あんたの言う通りだ。足枷になるものは捨ておくべきだな。では、参ろう」
頷きあった山口と桜司郎は部屋を出ていこうとする。その背へ、土方が「生きて帰れ」と声を掛けた。 奉行所から飛び出したところで、一旦足を止めた。既に会津軍と薩摩軍は交戦しており、新型の兵器にやられたと思わしき会津の負傷者が次々と運ばれてくる。
中には腕や足が無い者から、目が潰れた者まで居た。その手に握られた刀には脂ひとつ付いていないことから、切り結ぶ前にやられたことが見て分かる。
「──畜生。ついこの間まで、薩摩は会津と手を組んでいたじゃないか」
隣に居る山野は歯噛みをした。それは禁門の変のことを指すのだろう。会津と薩摩が共に長州を追い出した事変だ。
「なのに…………奴ら、俺たちのことを虫けらのように撃ってきやがる……ッ」
「……今は何を言ってもどうしようも無いよ」
「だって、桜司──」
横を向くなり、山野は言葉を飲み込む。の目が今までに無いほどに怒りの色を堪え、静かに震えているのだ。
山野には知る由もないが、坂本の件や御陵衛士を誑かしたのも恐らくは薩摩である。それらも相俟って、余計に許せなかった。
「ただ、一泡吹かせるのみ。──一番組ッ!固まると的になる故、二人一組で行動!止めは刺すな、!目標は御香宮!……ただし、絶対に誰も死んではならぬ!」
その言葉に素早く一番組の隊士は組を作ると刀を手に駆け出す。流石は沖田が纏めあげた組といったところだろうか、誰一人未知の戦に恐れの欠片も見せなかった。
大砲がひとつ着弾すればたちまち土埃が高く舞い、銃声は足音を描き消す。それを利用し、一気に距離を詰めた。
急に目の前に刀を持った者が現れたからか、銃の弾込めをしていた薩摩藩士は目を丸くする。
「だ、