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にございますぞ、お菜津殿」
二人は言いめるように告げるが、お菜津も頑なだった。
「さ、されど、他の侍女方に気付かれでもしたら、大変なことになりますし…」
「それは大丈夫じゃ。古沍殿が常にお側に控え、そなただとは気付かれないようにご配慮下さる──のう、古沍殿」
「ええ。私が出来るだけ、皆々をそなた様の周りに寄せ付けぬように、日々気を配ります故」
「されど……」https://rodney.bravesites.com/entries/general/%E3%81%97%E3%81%8B%E3%81%97%E7%9A%86%E3%81%AE%E4%BA%88%E6%83%B3%E3%81%AB%E5%8F%8D%E3%81%97%E3%81%A6 https://www.tumblr.com/debsysblog/758873263593111552/%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%8B%E7%A7%81%E3%82%92%E4%BF%A1%E3%81%98%E3%81%A6%E3%81%BB%E3%81%97%E3%81%84?source=share https://freelancer1.bloggersdelight.dk/2024/08/16/%e7%ad%96%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e8%a8%80%e8%91%89%e3%81%ab%e3%80%81%e6%86%a4%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%9f%e7%9b%b4%e5%85%83%e3%82%82/
「大丈夫です。今とて姫様はご懐妊を隠す為に、風邪を引いた、熱が出た、体調が悪いなどと言うて、
お部屋に引きこもりがちじゃ。例えお菜津殿が奥の間へ身を隠しておっても、誰も不思議には思わぬはずじゃ」
三保野が自信をもって言うと
「──三保野の申す通りです」
前触れもなく室内の戸襖が開き、大きな腹を抱えた濃姫が入って来た。
「まぁ…姫様、大丈夫なのでございますか !?」
「左様なお身体でご無理を致してはなりませぬ」
「平気じゃ、これしきのこと」
三保野と古沍は急いで立ち上がると、濃姫の身体を左右から支えながら、静かに畳の上に座らせた。
濃姫は困り顔のお菜津を見据えると、ややあってから静かに口を開いた。
「お菜津。そなたに大変な役目を頼んでいることは、私自身もよう分かっておる。
なれどこれは、この腹の中の御子が健やかに産まれる為に、どうしても必要なことなのです。
私の懐妊を知る者の中で、も背格好も一番近いのはそなたじゃ。どうにか、引き受けてはもらえぬであろうか?」
「…お方様」
「頼みまする。暫しの間、私の影となってたもれ」
濃姫は懇願すると、っていた豪華な織打掛を脱いで、ふわりとお菜津の身に纏わせた。
「私が戻るまで、代わりに “ お濃の方 ” を務めてもらいたいのじゃ」
「──」
「頼む、お菜津」
濃姫の頭が頷くように垂れ下がるのを、お菜津は暫しとして見つめていた。
濃姫の御座所に信長の訪問があったのは、同日の夜遅く。
白い御寝間着に着替え、“ 明日に備えて ” 濃姫が早めにに就こうとしていた時のことだった。
濃姫は寝間着の上に小袖を羽織り、御居間に入って来た信長を鄭重に出迎えると、
彼を、上座の茵に座らせ、自身もその傍らにゆっくりと膝を折った。
ふと信長の目に、居間の次の間に置いてある黒漆塗りの長持ちや、挟箱などが映る。
「…明日の支度は、もう出来ておるようじゃな?」
「はい。衣装から小間物まで、全て三保野たちが整えてくれております故、後はこの身を輿に乗せるばかりにございます」
「左様か。道中は織田家の兵、また長政が手配してくれた浅井の兵らがしっかりと護ってくれる故、何も心配はいらぬ。
成菩提院は近江にあるというても、岐阜との国境を越えて直ぐのところじゃ。きっと大事なく安着出来るであろう」
「私一人の為に色々とご配慮下さり、まことに忝ない限りに存じます」
濃姫は軽く頭を下げると
「……義母上様にも、あのような芝居じみた真似をさせてしまい、大変申し訳なく思うておりまする」
付け足すように、今一度小さく頭を垂れた。
「気に致すな。それについては母上も了承済みじゃ。そちを無理なくこの岐阜から出す為には、療養という名目が一番手っ取り早いからな」