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Alicia McKenzie's Blog

だが自分なら功助とトキを説得して三津

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だが自分なら功助とトキを説得して三津

だが自分なら功助とトキを説得して三津にいつもの生活を与えられるのではないかと思っていた。

 

 

『でも二人のあんな様子見たら。ねぇ。』

 

 

甘味屋を訪ねた時,二人がらしからぬ面持ちで店の前を右往左往していて,それをお客達になだめられてるのを見てしまった。

 

 

それなのに今三津を連れて帰ってしまえば,きっと二人は尋常でない喪失感を味わい,心臓も呼吸も止まってしまうのではないかと思わされた。http://eugenia22.eklablog.net/-a215337987 https://carinadarling.wordpress.com/2024/01/28/%e3%80%8c%e7%8e%a9%e5%85%b7%ef%bc%9f%e3%81%a8%e3%82%93%e3%81%a7%e3%82%82%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%8c%e5%bd%bc%e5%a5%b3%e3%81%af%e7%a7%81/ https://domoto63.blog.shinobi.jp/Entry/26/

 

 

「三津,女将と旦那を悲しませてはいけないよ。一緒に謝ってあげるから今日は帰ろう。」

 

 

今日は家に帰してやる。今日は。

 

 

『俺にしては随分と優しくしてやってるんだぞ?』

 

 

いつもの三津なら"吉田さん変なもん食べた?"と柄にもないとからかってきただろう。

でも三津にそんな余裕はないらしい。

 

 

「帰ろう。」

 

 

身を剥がした吉田はくるりと振り返り歩き始めた。

小さな足音が後ろからついてくる。

 

 

「後ね。」

 

 

続きを言う前にふぅと息を吐いた。

 

 

「何ですか?」

 

 

三津はしょんぼりとした顔で首を傾げた。

目の前の吉田は右手で後頭部を掻いた後にもう一度小さく息を吐いた。

 

 

「桂さんなら元気だから。」

 

 

出来ればこの名前は出したくなかった。だけどもこんな三津は三津じゃない。もうこれしか手段が思い浮かばなかった。

 

 

どんな反応を見せるかさえ予測不能。

立ち止まりちらりと視線を寄越してみれば,

 

 

「良かっ。」

 

 

今にも泣き出しそうに潤んだ瞳が微笑んだ。

 

 

『悔しいけど仕方ない。』

 

 

変な顔。」

 

 

「元からですぅ!」

 

 

三津はぽろぽろと零れる涙を拭いながら悪態をついた。

吉田はふんっと鼻を鳴らした。

 

 

『いつもの三津に戻ったら絶対連れて帰ってやる。』吉田に連れられ帰宅した三津は二人にこっぴどく叱られる事はなかった。

吉田とお客達が,三津が不憫でならないと訴えたから。

 

 

それには三津もしゅんとした。危険なのを承知の上で壬生へ出向いたのにこの有り様だ。短期間とは言え,喧嘩もしながら自分を受け入れてくれた彼らとすっぱり縁を切る事となってしまった。

 

 

「みんなホンマにごめん!いっぱい余計な心配かけて。でも日常で何が起こるか分からへんのは私だけやなくてみんなも同じやと思う。せやから今まで通りさせてもらわれへんやろか。」

 

 

店番もしたい散歩もしたいみんなと喋りたい甘えたい。

完全に前と同じ生活を送るのは出来ないかもしれないが,その時その時を受け入れていく覚悟はしている。

 

 

「心配も迷惑もかけずいる方が難しいでしょう。かけてしまうのが当たり前だ。

まぁ,三津が危なっかしくて心配なのは別問題だけどね。」

 

 

吉田はふふっと笑うと他のみんなも"あー"と声を漏らした。

 

 

「ねぇどういう意味?」

 

 

貶されてる事は分かる。口を尖らせ不貞腐れる。

それでも久しぶりに和やかな空気の輪に入れたことで三津は内心安心していた。

こうやって場の雰囲気を和らげてくれた吉田に感謝しなければならない。

 

 

「ごめんな三津。危険なのも分かっとって送り出した自分等が阿呆やったと思ったんや。」

 

 

すまなかったと頭を下げる功助に三津の胸は痛んだ。

 

 

「ううん,おじちゃんとおばちゃんは私の背中を押してくれただけや。それにほら!私生きてるし元気やから!ね?自分等の事責めんといて。」

 

 

あの時を思い出してと二人の手に自分の手を重ねた。自分が正しいと思うなら貫けと背中を押した。三津も間違った事はしていないと胸を張った。ただそれだけの事じゃないか。

 

 

『やれやれ,手のかかる親子だね。さぁてそろそろ帰らないと面倒臭い事になるかな。』

 

 

「後は三人でよく話し合えばいいよ。まぁ三津がどうしようもなく心配と迷惑をかけるようなら俺が嫁に貰って面倒見てあげる。いつでも迎えに来るよ。」

 

 

吉田はじゃあねと後ろ手を振って店を出た。

お客達は来年は嫁に行けそうやなと冷やかし,三津は顔を赤くしてむきになった。

 

 

『来年はどうなるんやろ。来年もその先もここで笑ってたい。』

 

 

それだけで充分だ。

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