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Alicia McKenzie's Blog

土方は一時、あの若さの市村を隊士にし

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土方は一時、あの若さの市村を隊士にし

土方は一時、あの若さの市村を隊士にして何を考えているんだと非難にあっていたことを市村は知っている。

 

 

──でもそれは違う。

 

副長は自分を若いのに隊士にしたひどい人なんかじゃない。

 

若いから、隊士にしてくれたんだ。

 

 

身寄りがなく、唯一の親族は兄だけ。

そんな自分を、年齢を見破っても何も言わずに入れてくれた副長。

 

 

自分を新撰組の家族の輪に入れてくれた副長。

 

 

この人のためなら、自分はなんだってできる。

 

 

そう思ってきたはずなのに、なんだ。この嫌な予感は。

 

 

「市村」

 

 

「はい」

 

 

市村はゴクリと唾を呑んだ。

 

「頼みがある」

 

 

そう言って、副長が自分に出した物は、美しかったあの漆黒の髪と、写真だった。

 

 

……なんですかこれは」

 

 

言いたいことはわかってる。

 

 

でも、そうじゃないことを願っている。

 

 

 

 

「これ、日野に、実家に持っていってくれねぇか」

 

 

 

 

土方はまるで、近くにお使いを出すように、申し訳なさそうに眉を下げて笑っている。

そんな副長に、腹が立って、絶望して、狂いそうなくらいに、哀しくなった。

 

 

嫌な予感は、当たった。

 

 

 

なんで、そんな風に笑うんですか。

 

なんで、そんな物を渡すんですか。

 

 

それじゃあまるで

 

 

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「ん?」

 

土方は微笑みながら返してくる。

 

 

「嫌だ!!」

 

 

土方は驚いたような、納得したような、よくわからない顔をしていた。

 

 

市村がこんなにはっきりと土方の頼みを断ったのはこれが、初めてである。

 

 

こんなの惨すぎる。

 

 

「絶対に嫌だ!!嫌です!!そんなの、自分で行ってください!!」

 

「俺は行けない」

 

 

「じゃあ、違う誰かに!!」

 

市村は涙を浮かべた。

 

 

無理だ。

無理に決まってる。

自分には、できない。

 

 

「お前にしか頼めないんだ」

 

土方は市村を真っ直ぐに見た。

 

 

 

この人はいつだってそうだ。

 

真っ直ぐすぎるんだ。

 

自分は、それにしがみつくので、いっぱいで

 

 

「嫌ですっ

 

市村は涙を溢した。

 

 

「市村、日野に行ってくれ」

 

それは

 

「逃げろと言うことですか?」

土方は珍しく、一瞬言葉に止まった。

 

 

土方は今の自分達の状況をよく理解していた。

 

しかしそれは、市村も同じであった。

 

 

「違う」

 

 

「違わない!!自分は、副長に着いていく!そう誓いました!!」

 

 

「お願いだ市村」

 

 

逃げてくれ

 

そうとしか聞こえない。

 

 

「嫌だ

 

「頼む」

 

 

「嫌です!」

 

 

涙と同時に、鼻水も出てきた。

 

 

 

「市村鉄之助!!」

 

 

「っ!!」

 

 

突然、土方が怒鳴った。

 

 

「これは隊務だ。

お前に課せられた隊務だ。できないなら切腹しろ」

 

 

「副長!!」

 

「俺は本気だ」

 

 

土方は短刀を市村の近くに投げた。

 

 

なんで

嫌われようと、してる。

それが優しいんだよあんたは……

 

 

「うっくっ!!はい!!」

 

 

「持っていって、くれるな?」

 

土方は優しく笑った。

ただただ、市村は頷いた。

 

 

土方は立ち上がると市村に近づき頭を撫でた。

 

 

ごめんな」

 

市村は頭を振る。

 

 

「お前といて、すげぇ楽しかった」

 

 

そう言うと、土方はもう一つ、市村の耳元で静かに呟いた。

 

市村は一瞬、目を見開き、土方を見たが、また顔をクシャクシャにして泣いた。

 

市村の嗚咽が、ずっと続いていた。

 

 

目の前には死体、死体、死体。

 

全身の血が引いた。

 

回りの仲間なんて、僅か。

 

「はっはぁっ

 

息は上がる一方。

 

それでも、土方は刀を振り上げ、立ち向かう。

 

 

やめて

 

やめて!

 

「もう無理ですよ!やめてください!この戦の勝敗なんて、もはや誰もが分かりきっています!!」

 

 

気付いたら、口に出していた。

 

私はこんなことを

 

 

美海の叫びに土方は振り向き、こう答えた。

 

 

「それでも俺らはこれをやめることはできない。

俺らは近藤さんが進んだ道を真っ直ぐ行くだけだ」

 

「土方さ

 

 

「近藤さんが俺らの誠であって、正義だからよ」

 

そう笑って土方は走り出した。

 

だめ!

 

「だめ!!」

 

ガバッ!!

 

 

身体が急に持ち上がった。

 

荒い息。

 

滝のように流れる汗。

 

 

そこは布団の中だった。

目を覚ました。

 

あれは夢だったのだ。

 

 

「はっはぁ

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